【作品概要】
作品形態:Apple Vision Proを用いたサウンドアート
発表年:2025年
【作品解説】
人間の「存在のあり方」は、テクノロジーの進化とともに急速な変容を遂げてきた。2016年のVTuber登場から、2018年の VRChat の台頭、そして2020年のパンデミックによるオンラインコミュニケーションの一般化を経て、デジタル空間での存在は「特別なもの」から「もう一つの日常」へと変化していった。そして2024年のApple Vision Proの登場は存在のあり方にさらなる変革をもたらした。その「空間ペルソナ」機能は、装着者の表情や目線、物理的位置までもがリアルタイムに反映される驚くほど自然な「誰かそのもの」として空間に立ち現れる。しかしそれらと同時に2022年以降のAI技術の急速な発展も相まって、デジタル空間における存在の真正性への問いも深まっている。
本作品《RESORACLE》は、この問いに対する一つの応答として生まれた。「共鳴 / 想起」を意味する”Resonance”と「神託 / 啓示」を意味する”Oracle”を組み合わせて命名されたこのシステムは、心音という人間の生命活動に不可欠かつ複製やシミュレートが困難な生体音を用いて、「存在の確かさ」を感じ取ろうとする試みである。このシステムは専用アプリとVision ProをOSC通信で接続することで稼働し、心音が”RESONITE( 存在の結晶 )”という名の脈動する赤い粒子として可視化され浮かび上がる。その空間は、自身や他者の存在をより生々しく象った空間であり、それはデジタルとフィジカルが交錯する世界の中で、我々が依然として心臓を動かし続けている存在であることを再確認する、極めて個人的な体験となるのである。
【主な参加展示・イベント】
『NEWVIEW FEST 2024』
会場:GALLERY X BY PARCO(東京)
会期:2025年2月7日 〜 2月11日
『AWE 2025』
会場:ロングビーチコンベンション&エンターテイメントセンター(ロサンゼルス)
会期:2025年6月10日 〜 6月12日