【作品概要】
作品形態:サウンドインスタレーション/パフォーマンス
発表年:2021・2022 年

【作品解説】
 本作品は、人体の内臓器官の律動を音響的に再現したサウンドインスタレーション作品である。作品の核となる音響装置は、生命体の拍動を模倣する大型サブウーファーユニット、人の皮膚を想起させる超軟質ウレタン樹脂の膜、そして血液や体液を表現する粘性のある赤い液体(水とスライムの混合物)によって構成されている。この装置は10kHz以下の低周波数帯域で有機的な振動パターンを生成し、その動きが膜と液体に伝播することで、まさに生命体の内部から響くような生々しい音響を創出する。これらの音はガンマイクによって収音され、空間に配置された複数のスピーカーから再生されることで、重層的な音響空間が形成される。音響装置は増幅・減衰・停止・持続といった動態を絶え間なく反復し、まるで生命の終焉という一線を行き来しているような緊張感を醸し出す。この生と死の境界を往復する様相から、作品タイトルを《Beforeand After the Demise》、すなわち「終焉の前後で」と名付けた。
 サウンドパフォーマンス版では作品タイトルを《The Act of Before and After the Demise》、すなわち「終焉の前後での行為」とした。前述のシステムに高周波を発生する2台のフルレンジスピーカーユニットを追加し、それぞれを楽器として操作する。新たに導入されたスピーカーユニットには、骨灰を模した白いパウダーがコーン上に配置され、高周波振動によって粉末が宙に舞い上がる視覚的効果を生み出す。パフォーマンスは音響装置への物理的介入や、各種物質の操作を演奏行為として展開される。全体は「皮膚」「血液」「臓器」「臨終」「終焉」の5幕構成となっており、約 20 分間の上演時間の中で、生命の誕生から消滅までの過程を音響的に描写する。

【主な参加展示・イベント】
『サウンドパフォーマンス・プラットフォーム 2022「音と動きを解放する」』
会場:愛知県芸術劇場 小ホール(愛知)
公演日:2022年2月27日

『池袋アートギャザリング公募展 IAG AWARDS 2022』
会場:東京芸術劇場(東京)
会期:2022年5月20日 〜 25日

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